Dynamics 

当院では2001年1月1日から電子カルテDynamicsを正式運用しています。
Dynamicsは開業医の吉原正彦先生が開発された大変すばらしい電子カルテです。
レセプト作成も簡単に出来、非常に重宝しています。
臨床の現場を知り尽くした開業医の立場で作られており、
良心的な価格設定でありながら大手の高額な電子カルテに引けをとらず、
むしろ多くの便利な機能が満載で充実しています。 
メーリングリストでの要望を随時取り入れて貰えるユーザーフレンドリーな電子カルテであり、
サポート体制も日立ソフテックをはじめ全国のユーザー仲間がたくさんおり安心です。
現在では、電子カルテDynamicsなしでの診療は到底考えられません。


平成14年夏 長崎市   Dynamics講習会

                               原田         吉原先生


長崎県内でもユーザーが徐々に増加していますが、波佐見町の河野先生の音頭で
県内のユーザー会が初めて長崎市内で開催されました。
今後、益々仲間が増えることを期待しています。

平成15年9月 長崎市 長崎県ダイナユーザー会




電子カルテ導入記


平成14年1月長崎県臨床内科医会年会報に寄稿したもので、
内容的に当院の現在のスペックとは異なるため、平成15年2月時点で
一部追加加筆していることを御了承下さい。



10年前の世襲開業時、大手レセコンは何れも高額で納得いかず、当時所持していた
ハード(NEC:PC98)を有効利用できる安価なソフトMedisoft(静岡開業の近藤先生作)を購入し、
これまで9年間使用してきた。保険改正時には1〜2万円の費用を要したが、保守料は一切不要で、
レセコンメーカーとは比べ物にならない程経費もかからず、非常に満足してきた。
ただ、点数改正時の作業は自前であったため、官報や種々の情報により新保険点数・薬価など
数日かけて入力する必要があった。その後、NECがAV互換機へ路線変更したことに伴って、
周辺機器を含めたハード供給面での問題が生じてきた。また、カルテやX-Pフィルムを含めた
画像収納スペース問題などもあって、診療・レセプト事務の効率化・省エネ化を目的に
種々検討した結果、安価で多機能な電子カルテDynamicsを採用することとし、
平成12年8月から試験運用、平成13年1月から本格導入して丸1年が経過した。
そこで、これまでの経験を項目別に列挙し、経過を記してみたいと思う。
これから電子カルテ導入を考えておられる会員の皆様の参考になれば幸いである。




【選択理由】

Dynamics試用版の画面を最初に見た時の第一印象は、ボタンが沢山あってゴチャゴチャした感じで、
決して魅力あるものとは云えなかったが、数日操作しているうちに、
個々のボタンが実にすばらしい機能持った優れものであることが判ってきた。
以下に、その選択理由を掲げる。

1.内科開業医(大阪の吉原正彦先生)が開発:診療所のニーズから出発しており、機能満載
2.  安価で経費節減可能
3. メーリングリスト(ML)が存在し、常に改良され進化している:
最初に手にした
ver.9が2年間で平成14年1月現在ver.13e4であり、
ML上で出されるいろいろな意見が反映される。

4. 手持ちのハードがすべて利用可能:現在はWindows版のみ。



Dynamics導入までの準備】


 先ずは、手持ちのパソコンを一部屋に集め、LAN構築することから始めた。
ガイドブックを参考にしながら、すべてのパソコンが問題なく動作することを確認。
レセコン入力していた職員を除き、他全員(20〜50才代)がパソコン初心者であったため、
トレーニングが必要であった。事務、看護婦など職種を問わず職員全員を対象として、
週1時間程度のパソコン入門実習をまじえて勉強会を行い、徐々に職員に慣れてもらった。
私自身は、当院で使用する薬剤、検査、処置、病名などのマスター登録、症状・所見セット入力など、
初期設定を含めDynamicsのカスタマイズ作業を並行して行った。
尚、これまで使用してきたレセコンソフトに入っている患者さんの頭書きのコンバート
(大手レセコンでは可能なものあり)も考慮したが、通院中の患者さんを職員に診療の合間に入力して貰うことで対応した。
その後、平成12年10月から試行し、頭書き、院外処方入力・発行を開始、
平成13年1月の本格使用まで徐々に業務内容を増やしてスムーズに移行できた。




Dynamicsの概要】

Dynamicsは、Windows XP、2000、98、NT(Meは不適)+MS-Access2000、XP上で動作するが、
最近のDOS/V機であればどんな機種でもOKである。古いものでもスピードを気にしなければ、
CPU Pen.U200MHz以上程度でも問題ないが、メモリーは最低128MB以上(現在256〜1024MBで運用)で
余裕を持っておいた方がベターである。
価格は、ライセンス使用料:1年目15万円、2年目以後年額 5万円で、
サポート料として各々のメニューにより年額5〜10万円となっており、
サポートは、(株)日立ソフテックが担当している。

Dynamicsの機能としては次のようなものがあり、予約表やモバイル用(往診)も最近追加された。

診療支援(薬の飲み合わせチェック、薬の過量チェック、病名チェック、小児成長曲線描画、耳鼻科オージオグラム描画)、
多彩な書類発行(日計表、カルテ表紙、薬剤情報提供書、院外処方箋、紹介状、診療情報提供書、診断書、
検診レポート、薬歴経過表、検査歴表、主治医意見書、訪問看護指示書、在宅療養管理書、在宅療養計画書、
在宅医療情報提書、DMラベル印刷など)、レセプト(総括表や市町村助成のリスト、個人別集計、レセプトチェック、病名もれ)、
診療備忘録、サマリー、受付、検査台帳(検査結果のグラフ表示)、画像表示(レントゲン、心電図、内視鏡などの画像の表示)、
病歴管理、既往管理、他院医療情報、診療支援のための患者検索、家族管理、薬剤種別使用量、在庫管理




【当院におけるDynamics運用体制】

現在、PC7台をLAN(現在は100BASE-TXケーブルでpeer to peer)で繋いでいる。 
診察室3台(4台)( Pen.V、AMD Duron.現在Athlon2台・Pen.W2台 ):所見・検査入力用(予備note 1台)、
受付2台(AMD K6-2、celeron:現在Duron、PenW各1台):受付・カルテ管理用及び画像取り込み用、
薬局1台(Pen.U:現在Duron):院外処方箋発行、事務1台(celeron):チェック用であり、内3台は自作機である。
また、当院では念のため紙カルテにも保険点数、処方薬剤のみ記載し併用しているが、完全なペーパーレスも可能である。



【トラブル対策】

 電子カルテに限らず、パソコンは常に壊れるものとして対処しておかないと、とんでもないことになるので、
バックアップには気を遣っている。先ずは、同じパソコンの別のHDにミラーリングソフト(Copio)を使って
定期的(現在は30分毎:間隔は自由に設定可)にコピー、
次に毎日午前・午後診の終了時毎にMO及び別のパソコンへコピーし、
また保険請求時の1ヶ月毎にCD-Rへバックアップしている。
停電時対策としては、無停電電源装置(Omron POWLI  BX35XF)とノートパソコンで対応しているが、
長時間の使用が出来ないのが欠点である。
ユーザーの中には、太陽光発電まで備えている先生もおられるが、今のところはまだ手が出ない。



【画像ファイリング】

電子カルテの便利な機能として画像ファイリングがあるが、
当院では超音波、心電図は直接デジタル画像で取り込み、肉眼写真、顕微鏡写真はデジタルカメラ画像とのリンク、
内視鏡画像(現在はMO)、文書類はスキャナー取り込み画像でファイリングしている。
X-P画像については、現在デジカメ撮影分を使用しているが、近々デジタイザー購入予定である。(平成14年購入)
また、Dynamicsユーザーである広島の山下先生作のRS_Baseという優れたフリーの画像ファイリングソフトがあるが、
まだ当院では採用していない。
(平成14年6月よりRS_Base本格導入)



【電子カルテのメリット・デメリット】

Dynamicsを導入したことによるメリットは、次のようなものが挙げられる。
1.セプト事務の効率化・スピードアップ
2.経費節減(人件費・印刷費・レセプト作成関連諸費用)
3.受付事務の効率化:カルテ作成・訂正簡単
4.カルテ記載内容の詳細化
5.患者へのインパクト:画像、検査データの閲覧
6.診断書・指示書・意見書などの自動化
7.種々の検索・分析が容易
8.看護職・事務職関係なしに全職員が入力できるため、職員の急な休みにも対応可能。


デメリットとしては、
1.紙カルテほど記載内容の記憶が残らない
2.時間外作業の増加:レセプトチェック、画像リンク作業(今後改善可能)
3.CRT画面を見る頻度が高い
4.患者プライバシーの問題
5.肩こり、目の疲れなどがある。

電子カルテ経験者から、記憶に残りにくいとの声を良く聞くが、
ML上で小生の愚見が採用されマーカーペン機能(赤、黄)が装備された。
これにより、現在では、Dynamicsのない診療は到底考えられない。

平成11年4月の診療録等の電子媒体保存のための3条件(真正性、見読性、保存性)の通達によって電子カルテが解禁となった。
その後IT化・カルテ開示の風潮とも相俟って、各メーカーはその開発に力を注いで来ており、その数も今や50種類に及ぼうとしている。
しかしながら、その普及率は現在のところ全医療機関の約1%程度であり、実際にはまだまだの感がある。
これまで大規模病院で導入されている電子カルテは超高額であり、
我々開業医レベルの小規模診療所においてはその導入は到底不可能であり相応しくない。
現在電子カルテと呼称されるものには、純粋なカルテ機能だけを持つものと、カルテとレセプト機能を併せ持ったものとに大別されるが、
使用する側にとっては後者を選択したいと考えるのは当然である。
以上の観点から、正にDynamicsは診療所に相応しい電子カルテであると云える。
全国的にも、Dynamicsは内科のみでなく他科(小児科、外科、眼科、整形外科、産婦人科など)でも急速に浸透しつつある。


今後、日医総研ORCA(現在はレセコン機能のみ)の動向も注目する必要があるが、
電子カルテ普及の条件としては、経済性、操作性、改竄防止・プライバシー保護、
レセコンデータからの変換(CSVファイル)、サポート体制、使用者のスキルなど種々挙げられよう。
キーボード入力は、タッチタイピングが出来ればそれにこしたことはないが、
略語入力(症状・所見など短文も含め辞書に登録しておく)、ペン入力、音声入力などの他、
医療秘書に入力してもらう方法もあり、慣れてくれば問題ない。
昨年末に厚労省が発表した保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザインでは、
平成18年までに全診療所の6割以上に電子カルテを普及させるよう目標設定がしてある。
このためにクリアーすべき諸問題もあるが、「診・診」「病・診」連携を更に強化していく上にも、
近い将来電子カルテを避けては通れない時代がやって来そうである。
会員の先生方で電子カルテに興味をお持ちで導入をお考えでしたら、当方(095-844-0594)へご一報下さい。
今後、長崎での仲間が増えることを願っております。


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